読解編でカバーされなかったところを少しずつ読んでいこうと思う。きょうは6章。夕陽の章。

星の王子さま 夕日

とても短い章なので、すぐに読める。

はじめ、ひっかかった文章が一つあった。

Tu n’avais eu longtemps pour distraction que la douceur des couchers de soleil.

大過去

文の構造としては、 ne ・・・ que

きみは、夕陽の douceur しか、distraction するためのものは長い間、なかった。

ちなみに、この Tu は王子さまのことで、飛行士が呼びかけている。

ポイントは distraction 。はじめ、「はっ? 夕陽を見ること以外に邪魔のためのものがなかった・・・って?」と思ったのだが、読み進めるうちに、夕日鑑賞が王子さまのささやかな趣味だということと、以前ビデオ学習 デスパレートな妻たち 2分で行くよの記事を書いている時、「saines distractions 健全な娯楽」という表現を辞書で見たことを思い出し、このdistraction は英語と意味がほとんど逆だということに気づいた(浮世の憂いから、distractしてくれるもの→楽しみ、という流れは一緒か)。

douceur は先週やった読解編第十八回で、 la douceur des sourires (クリスマスのみんなの笑顔)が出てきたので、なにかここちのよいもの。

ここは短いので全訳してみる。



ああ、王子さま、こんなふうにして、私は、きみの寂しい暮らしが少しずつわかってきた。夕陽を見ることしか、長いこと楽しみがなかったんだね。四日目の朝、きみがこう言ったとき、また新しいことがわかったよ。

「僕は夕陽を見るのが大好きなんだ。夕陽を見に行こうよ。」

「でも待たないとね。」

「待つって、何を?」

「陽が落ちるのを待つんだ。」

きみは、はじめずいぶん驚いたようだった。そして、ひとりで(突然?)笑いだした.* そして、私にこう言った。

「僕ね、いつも自分の星のことを考えているんだ。」

確かに。アメリカが昼間のとき、みんな知ってることだが、フランスでは、夕陽が沈む時間だ。夕陽を見るためにフランスに1分で行けるといいんだけどね**。あいにく、フランスはずいぶん遠い。でも、君の星はとても小さいから、ニ、三歩、椅子をひっぱって歩くだけですんだんだね。そして、いつも気のすむまで、黄昏を見つめていた。

「あるときなんかね、僕、夕陽を44回も見たんだよ!」

「・・・あのね、人って本当に哀しくなると、夕陽を見たくなるものなんだよ。」 ちょっとたってから、王子さまはこう付け加えた。

「じゃあ、その日は44回も哀しかったのかな?」

しかし、王子さまは答えなかった。

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toi-mêmeの意味が??

suffirait  < suffire   conditionnel présent 非現実

suffisait  < suffire   imparfait



辞書で調べた単語

distraction 気晴らし、娯楽

assister 見物する、目撃する。


原文はこちら⇒Le Petit Prince: chapitre 6



・・・・・2012年3月22日に書いた記事です・・・・・