フランス映画「The Artist」に関する記事を読みました。今年の2月の記事です。

The Artist
photo credit: peetje2 via photopin cc

元記事 → Le succès de The Artist expliqué aux enfants | 1jour1actu - Les clés de l'actualité junior27 février 2012

Pourquoi The Artist est-il la star de la semaine ?
どうしてThe Artistが今週のスターなのでしょうか?

音のない白黒の画面で展開される、ジャン・デュジャルダン(Jean Dujardin)と ベレニス・ベジョ(Bérénice Bejo)主演のフランス映画「The Artist」のことを聞いたことがあるでしょう。

アメリカ映画の初期のころが舞台になっている映画です。この無声映画が、今夜、今年のアメリカ、ハリウッドのアカデミー賞の五つの部門でオスカーを受賞しました。「フランス万歳!」です。

なぜこの映画が話題になっているのでしょうか?
それは「The Artist」が、アカデミー賞の最優秀作品賞、主演男優賞を含む全部で11のオスカーを獲得したからです。この映画はフランスのアカデミー賞ともいえるセザール賞で6つの賞をとり、今回、アカデミー賞で5つの賞をとったので、11個の賞を獲得。

これはすばらしい快挙です。というのも、ふつうアメリカのアカデミー賞は、アメリカ映画に渡るからです。そんなわけで、「フランス万歳!」なのです。

予告編




チャーリー・チャップリンの白黒無声映画を思い出す人もいるでしょう。シャロという名前で親しまれたアメリカの喜劇俳優です。いつも黒い服を着て、山高帽をかぶり杖を持っていました。彼の映画は1930年代に作られており、それはあなたのひいおじいさんの時代です。でも、The Artistは2011年の映画です。


こちらが、チャップリンの「The Kid」の抜粋です。



「The Artist」はどういうお話でしょうか?
1927年のハリウッド(映画スタジオがたくさんあることで有名なロスアンジェルスの一角)のスター俳優のお話です。1920年代は、ハリウッドは映画世界の中心地でした。だから、映画のタイトルは英語で、フランス語にすると L’Artisteです。その俳優は、白黒無声映画で活躍していましたが、トーキーの出現で、存在を忘れられ、かわって若い女性がアメリカ映画のスターの座を獲得するという筋です。

この映画は実話ですか?
違います。でもひいおじいさんの時代の映画俳優の生活がよく描かれています。

どうして、昔の映画は無声なのでしょうか?
それしか方法がなかったからです。フランスのルミエール兄弟が1895年に映画を発明したとき、音はありませんでした。はじめて音がついた映画は、1927年のThe Jazz Singer (Le Chanteur de jazz)です。

そして白黒なのは?
音声と似たような事情です。映像に色をつける方法が開発されていなかったので、必然的に白黒でした。カラー写真はとても高くついた時代です。カラーフィルムで撮影された初期の映画の一つに、1939年のMagicien d’Oz(オズの魔法使い)があります。

どうして「The Artist」は大成功したのでしょうか?
それは、この映画が白黒無声映画独特の魅力を持っているからです。同時に、二人の主演俳優が、映画のもつファンタジーと、現代の映画の面白さをうまく盛り込んだからです。その結果、大変ユニークなものになりました。そして何より、とてもおもしろく、感動的なお話なのです。

水曜の午後、もし何の予定もないのなら、お父さんやお母さんとぜひこの映画を見に行ってください。



◆きょうの単語
cocorico コケコッコー
雄鶏はフランスの象徴で、特にスポーツの試合で勝ったときの「フランス万歳」の歓声にもなる ・・プチロワ284ページ

雄鶏はガロアの時代からフランスの象徴だったそうです。ちっとも知りませんでしたが。単語の解説には、cocoricoと叫ぶときは、やったーという気持ちの背後に「やっぱ、フランス人は世界一」というニュアンスもあるので、ユーモアをそえて言いましょう、と書いてありますが、フランスの人はみんないつも「フランスが一番」と思っていそうな気もします。


きょうの記事は映画の歴史にもふれられていておもしろかったです。「アーティスト」という映画はフランス映画なのに、アカデミーで5部門(しかも作品賞、監督賞含む)をとりましたが、映画の舞台が古き好き時代のハリウッドだったというのも大きいと思います。ある意味、映画やハリウッド賛歌ですから。

舞台はハリウッドなので、映画の中に出てくる新聞の見出しなどはすべて英語。俳優はしゃべりませんから、どこの国の人でも(まあ見た目が似てる白人という制限はありますが)ハリウッドの俳優を演じることは可能。事実、ハリウッド黎明期はヨーロッパの俳優さんがたくさんハリウッド映画に出演していました。アイデアの勝利ですね。

また、この映画の企画は、ハリウッドでは通らなかったと思いますので、ハリウッドの外側にいる人間にしか作れなかった映画だという気がします。

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