フランスのmariage civilと呼ばれる民法上の結婚について読みました。2012年の12月の記事です。

結婚

Le mariage civil expliqué aux enfants | 1jour1actu - Les clés de l'actualité junior 18 décembre 2012

Sais-tu d’où vient le mariage civil ?
民法上の結婚の起源を知っていますか?

テレビや身の回りで『すべての人に結婚を』« le mariage pour tous »がスローガンの法律の制定が進んでいることを聞いた事があると思います。1月にこの計画について議会で話し合いが行われます。もし可決されれば、ホモセクシャルのカップルが結婚し、養子をとることができるようになります。さて、結婚の歴史について知っていますか?




なぜこれがきょうの話題なのでしょうか?
ホモセクシャルのカップルが結婚できる法律を制定する計画があるからです。この法律について2013年1月に議会で話し合いが持たれ、採決がとられます。

きょうのできごと
結婚は二人の人間のあいだの正式な婚姻です。この制度は互いに好意を持ちあって、協力しあう二人の人間が、人生をわかちあい、子どもを認知することを可能にします。現在、この結婚という制度を「平等」への配慮から、二人の男性や二人の女性のカップルでもできるようにすることが問題になっています。ベルギーやオランダ、スペインなどヨーロッパのいくつかの国ではすでに存在している権利です。

歴史を少し見てみましょう
古代では、結婚には数々の儀式がつきものでした。男女は伝統にのっとって結婚しました。両家の契約による結婚が一番多かったのです。

中世では、結婚は宗教的な儀式となりました。結婚は教会で司祭が執り行い、専用の台帳に登録しました。こうして婚姻は神聖で正式なものになりました。夫婦は結婚したら、互いに共同体となる義務を負いました。

1792年に結婚は民法上のものとなりました。この時以来、結婚を執り行うのはもう司祭ではなく役所になったのです。もちろんいつも教会で結婚式をあげることはできますが、先に役所で登録しなければなりません。

というのも民法上の結婚が法律のうえでは唯一の正式な結婚だからです。カップルが家族手帳«livret de famille»を受け取るのは役所で手続きをした時です。この手帳は二人の人間の結婚証明書となります。同時に、子どもの出生も記載され、正式な出生証明書となります。

進化したカップルの役割り
時間の経過とともに、結婚したカップルの配偶者の役割りも変わってきました。1900年には夫が家族の長でした。民法典には「夫は自分の妻を護らねばならず、妻は夫に従わねばならない」と書かれていました。

1965年に一つの法律が可決するまで、結婚した女性は法的には力がない存在« incapable juridique »とみなされていました。妻は契約書や公的文書にサインできず、そのようなことは夫の仕事でした。

また1970年になってようやく、父のみの権威(父が子どもに対してすべての権利を持っていること)が両親の権威に変わりました。つまり母親と父親の両方が子どもに対して同じ権利を持つことになったのです。

このような法律はすべて、「平等」という考え方と関係があります。ここでは、男女間の平等、個人間やグループの間の平等ということが問題になっていると言えます。

現在は、このような変化は受け入れられています。しかし、当時はこういった法律が議会で可決されたとき、怖れを抱いたり、反対した人々が大勢いました。

『すべての人に結婚を』« Le mariage pour tous »
これと少し似たようなことが、現在『すべての人に結婚を』法案について起こっています。最近の調査では、半分以上の人(65%)がホモセクシュアルのカップルに結婚する権利を与えることに賛成しています。一方、これに反対している人々は親になることに問題があると言っています。

婚姻はそのカップルが子どもを作ったり、養子をとることを認めることです。ホモセクシュアルのカップルに結婚を認めるということは、同じ権利も与えるということです。

男性と女性のカップルのみが、子どもの成長にとってよい環境を作ることができる、子どもたちには男性のロールモデルと女性のロールモデルが必要だと考えている人たちがいます。

べつの人たちは、子どもたちはカップルによって育てられることが重要であるだけで、それが女性同士、男性同士でも、男性と女性のカップルでもかまわないと考えています。子どもの情緒のためには、二人のロールモデルや、子どもたちが両親だと感じることのできる二人の親がいればよいという考えです。

この件に関するすべての問題は1月に議会で討議されることでしょう。


■きょうの単語 solennel 盛大な、厳粛な、正式の
「毎年戻るもの」という意味のラテン語«sollemnis»が語源です。
solennelという形容詞は「公のなかで、輝かしく、盛大に祝うもの」について話すときに使われます。そういう行事はあるルールにそって行われ、特に大切なものです。結婚はun acte solennelです。

■単語メモ
par souci de ~への配慮から、~を慮って
célébrer とり行う
dorénavant 今後は、これからは、
contient < contenir
acte 証書、公文書
inscrire 記入する
au sein de qc ~の只中に、~に包まれて。この表現はプチロワには(文)とあり、こんな例文があった。
vivre au sein des plaisirs 快楽三昧に明け暮れる
和訳が日本語として? 「三昧」と「明け暮れる」じゃ意味が重複してる気がする。
par rapport à ~と関連して
le code civil 民法典
juridique 法律上
la puissance paternelle 親権、父権
susciter (感情、考えなどを)呼び起こす、引き起こす



■関連動画
これは1年半ぐらい前のビデオのようです。
Mariage gay : Faut-il l'autoriser ? 2分39秒



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