こちらは事件発覚後牛肉が本当に入っていることをアピールした新しい包装で発売されたもの。

photo by TheTherapist
元記事 → lasagne au cheval, le scandale expliqué aux enfants1jour1actu – Les clés de l'actualité junior 11 février 2013
Le scandale des lasagnes à la viande de cheval
馬肉入りラザーニャのスキャンダル
牛肉入りのはずのラザーニャにどうしたら馬肉が混入しうるのでしょうか? 今のところ明快な答えをするのが難しいです。確かなのは、この肉は英国で冷凍のラザーニャになる前に、ずいぶん長い旅を経てきていたということです。さまざまな仲介業者の手を渡っているのです。
なぜなら牛肉のみが入っているはずのラザーニャから馬肉が発見されたからです。
きょうのできごと
話は先週にさかのぼります。冷凍食品を販売しているファンダス社(Findus)が検査中に、ラザーニャに馬肉が含まれていることを発見しました。
馬肉店のあるフランスとは違い、馬肉は食べない英国で大騒ぎになりました。また、消費者を騙すことも禁止されています。これらの商品はすぐに売り場から回収されました。
ファンダス社はこの件について、南フランスにある肉を納入した業者のせいだと言いました。この納入業者はこの肉を自分たちに販売したルーマニアの業者のせいだと言いました。さらに話を複雑にしているのは、フランスの納入業者はこの肉を安く入手するために、オランダとキプロスの二つの業者から仕入れていました。
真の謎解きです。今のところみんな罪をなすりつけあっています。しかし、この事件で明らかになったのは、消費者と畜産業者のあいだに多大な不透明さがあることです。
とても長い調達ルート
あなたのお皿の上にのるまえに、たくさんの食品がとても長い距離をへてやってきます。あなたの住んでいる場所やバカンス先のそばの野原で草を食べている雌牛の肉をあなたが食べることはとてもまれです。その食品が短いルート(ショートサーキット)を経ている場合をのぞいては。調達ルートが短いときは、多くの場合、屠殺場や畜産業者があるその場所で、肉屋が働いています。
食品の原産国の表示
別の問題に、トレーサビリティがあります。ある食品、特にひき肉が材料の冷凍食品は材料がどこから来たのか知ることが難しいです。肉屋でステーキやリブロースを買うときは、その動物の名前と原産地が表示されていますが、冷凍食品の場合、この表示は義務ではありません。
消費者団体が問題にしているのはこの点です。この団体は今後は冷凍のラザーニャやピザを買う人に、もっと情報を提供してほしいと望んでいます。そのため、原産国を表示したラベルをつけるべきでしょう。
長い調達ルート« circuit long »はたくさんのお金を生む
消費を担当する大臣*のブノア・アモンはルーマニアの田舎産の食肉の長い調達ルートを非難しています。このやり方は仲介業者がたくさんの収益を得ます。
そもそも馬肉を買値がずっと高い牛肉として販売した人からお金をもうけています。最後に、このような調達のやり方は、全くエコではありません。事実、こういった食肉が英国に届くまで輸送により確実に大量の二酸化炭素が排出されています。
■きょうの用語
traçabilité トレーサビリティ
incrimine = accuse
■きょうの単語 opacité
ラテン語で「影」という意味の« opacitas »が語源
opaque ⇔ transparent
✡単語メモ
se renvoyer 送り合う、責任をなすり合う
éleveur, éleveurse 畜産業者
vache 雌牛
brouter 家畜が草、新芽などを食う
hormis ~をのぞいては
hormis les cas de force majeure 不可抗力の場合をのぞき
abbattoir 屠殺場
entrecôte 牛のリブロース
*ブノア・アモン大臣の正式な名前は
Ministre délégué à l'Économie sociale et solidaire et à la Consommation
「経済・財務大臣付社会的連帯・経済・消費担当大臣」と書いてあることが多いようです。
1967年生まれの若い大臣で、フランス社会党のスポークスマンです。
この事件は最初、英国で発覚。検査したラザーニャ18個のうち12個に馬肉が60~100%の率で入っていたそうです。100パーセントってまるっきり馬肉ってことですよね。
英国では馬の肉は食べ物ではないそうですから、ふつうは皆さん食べたことはないと思いますが、味の違いに気づかなかったのでしょうか?ソースの味付けがきつくて気づかないのかもしれませんね。
私も馬の肉は食べたことがないので、牛肉と馬肉の味の違いを説明することはできません。
■こちらは先週のUKのニュース 2月8日2012
Findus beef meals made from horsemeat
馬肉はぜったい人間のfood chainに混ざるべきではない、と強く言っていますね。
1分24秒
■Euronews
Le scandale à la viande de cheval montre les failles d'un système
1分16秒
■FindusのCMのパロディがたくさんありました。「本物です、100パーセント馬肉!」とか、そんな感じのです。
一つだけ紹介します。