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Un brouillon inconnu du Petit Prince aux enchères
「星の王子さま」の未発表原稿がオークションへ
アントワーヌ・サン=テグジュペリの傑作、「星の王子さま」の知られざる草稿が、アールキュリアルの専門家によって、ある収集家の家で見つかった。この草稿は5月16日、パリで競売にかけられると、木曜にオークションハウスより発表された。
「飛行士であり作家であるサン=テグジュペリの原稿はもともと珍しいのですが、特に『星の王子さま』のものはきわめてまれです。」とアールキュリアルは言う。発見された「宝物」は1941年からのもので、40,000から50,000 ユーロの値段がつく見込みだという。内容は、30枚ほどの自筆の書類や原稿で出品者は匿名希望の収集家。
「目では何も見えない。心で見なければいけない。」草稿を発見した専門家たちは『星の王子さま』のこの言葉に再び感銘を受けるかもしれない。『星の王子さま』は初出版された1943年以来、世界でもっとも読まれ、最も翻訳されている青少年むけの本である。草稿はたいへん読みにくいが、出版には至らなかった第17章と、第19章の別稿である。
『星の王子さま』の未発表原稿
アールキュリアルによれば、フランスの国立図書館にはいくつか手書きの訂正つきの、タイプされた『星の王子さま』のオリジナル原稿がたった1セットだけ所蔵されているという。この小説の初版はフランスより先に、ニューヨークで、1943年にレイナル・アンド・ヒッチコック社から出され[1]、フランスではガリマール社より1946年[2]に出版された。
ニューヨークのピエールポント・モーガン図書館に所蔵されているオリジナルの原稿は、サン=テグジュペリが、1943年の4月に、北アフリカに出発するさいに、シルビア・ハミルトン・レナードに託したものである。「ニューヨークにある原稿と同様に、私たちの手元にある原稿も、抜けているところがたくさんあり、参照つきのページもあるし、余白にメモなど書かれ、読みにくいです」。とアールキュリアルは言う。
・・・ここに原稿の写真が2枚はいっています・・・・
二枚目の紙は、まったく新しい内容だ。星の王子さまが地球に到着したばかりで、その星で初めての人間に出会う箇所で、「たぶんそれは大使か人間の精だと思います」とアールキュリアルは説明する。その人物はたいへん忙しく、うがい薬(Gargarisme)という意味の6つのアルファベットからなる言葉を探している。このクロスワードパズルをする人間は、出版された『星の王子さま』の中のビジネスマンを思わせる。
戦う操縦士とパタゴニア
オークションでは、「パタゴニアへの寄航」という1932年に書かれた24ページの署名入り手書きの原稿も出品される。これは最も状態のよいもののひとつで、50,000 から 60,000ユーロの値段がつくと思われている。レジスタンスがテーマの映画のかすかな署名入り未発表の脚本が、サン=テグジュペリの映画のシナリオ(既知の8本)がタイプされたものと一緒に売りに出される。これらは25,000 ?30,000ユーロあたりの見込み。
この作家を代表する傑作「戦う操縦士」の6つの主要チャプターの手書き原稿も出品され、これは25,000?30,000ユーロと予想される。アメリカに亡命する前の、1940~1941に書かれた160ページ以上のもので、そのうち62ページは自筆である。
備考
1.英語版(翻訳)とフランス語版の両方出版された。
2.このときサン=テグジュペリはすでになくなっている(というか行方不明状態)。彼の存命は1900?1944
◆単語メモ
brouillon 下書き、草稿
enchères (複数形で)競売、オークション。単数形だと競売での値段の競り上げ
dénicher 見つかる、探しだす※
Artcurial アールキュリアル フランスのオークション会社 Artcurial | Briest - Poulain - F. Tajan | Ventes aux enchères
exhumer 発掘する、掘り起こす
◆自筆原稿が見つかったこと、それらがオークションにかけられること、原稿の具体的内容の三つが書いてあるだけで、特におもしろかったり、複雑な記事ではありません。が、難しかったです。まだ大人むけの記事にチャレンジするのは時期尚早かもしれません。
フランス語版が出る三年前に先に英語版が出ています。著者は『星の王子さま』を亡命先のアメリカで書いたのですね。だから、今出まわっている『星の王子さま』は英語版をベースにどこかの言葉に翻訳したものと、フランス語版をベースに翻訳したものの、最低でも2種類あるわけです。そして、最も古い英語版には翻訳ミスがいくつかあるらしいです。ちなみに、彼がアメリカに亡命したのは1940年の12月です。
◆ウィキペディアによるとサン=テグジュペリの生前に出版された小説は以下の6つ。 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ - Wikipedia
- 南方郵便機(Courrier Sud、1929年6月)
- 夜間飛行(Vol de Nuit、1931年10月)
- 人間の土地(Terre des Hommes、1939年3月)
- 戦う操縦士(Pilot de Guerre、1942年)
- ある人質への手紙(Lettre à un Otage、1943年2月または6月)
- 星の王子さま(Le Petit Prince、1943年4月)
『星の王子さま』は深読みすればいかようにも深読みできるように書かれているらしく、そういう研究もさかんですが、私はそういうのは自分がとりあえずひととおりフランス語で読んでしまうまでは、見ないようにしています。あくまで、こどもむけの童話として純粋に楽しみたい、と思っているのです。小説を買うまえに、アマゾンのレビューを読まないようにしているのと一緒です。しかしいったいいつ読み終わるのでしょうか? 来月はがんばりたいです。
・・・・・2012年4月30日に書いた記事です・・・・・
2013/04/08追記:最近勉強したとばかり思っていたdénicher という単語、ここで一度見ていたということをすっかり忘れていました。