寝室

しばらく、日本のアマゾンで、日本の映画やドラマを見ていましたが、飽きてきたので、きのうは海外の映画を見てみました。

たまたまNetflixで見つけた、Before I Go To Sleepです。見終わったあと、ネットで調べたら、邦題は「リピーテッド」みたいです。

Repeated ですね。何かがリピートされるわけです。

きょうは、この映画の感想を書きます。ネタバレはしないつもりですが、こうしたサスペンスドラマは、なんの前知識もなく見たほうがいいに決まっています。

Before I Go To Sleep 基本情報



脚本、監督: Rowan Joffé 
公開:2014
原作: Before I Go to Sleep / S. J. Watson (ベストセラー)
主演: Nicole Kidman、 Colin Firth、Mark Strong,
上映時間:92分
言語:英語

ジャンルはサスペンスです。

私はまったく、なんの前知識もなく見ました。こんな映画があったことすら知りませんでした。

ふだん、あまり映画もドラマも見ないからです。

単に、ミステリーが好きなのと、主演のニコール・キッドマンもコリン・ファースも好きだから選んだだけです。

一晩寝るときのうの記憶がなくなってしまう人



この映画の主人公はニコール・キッドマン演じる、40歳の主婦、クリスティーンです。

この人には、1つ大きな特徴があります。美人でスタイルがいい、とかではありません。

それは記憶喪失であるということ。

それも、ちょっと変わった記憶喪失で、夜、寝ると、きのうのこともきれいさっぱり忘れてしまうのです。

だから、朝起きると、自分の名前も仕事も年齢も覚えていないし、自分の隣に眠っている男性が、自分の夫だということもわかりません。

毎朝、「私は誰、ここはどこ?」状態です。

朝、目覚めたら、隣に見知らぬ男性が寝ていてぎょっとするクリスティーン。

その男性は、「私はきみの夫のベンで、僕たちは14年前に結婚した。きみはクリスティーンで40歳。

10年前、事故で頭を打って、記憶喪失になった。一晩寝ると、きのうのことを忘れてしまう」と言います。

これって、すごく怖くないですか? 

毎朝、同じことの繰り返しですよ。

その日、1日、「私は、誰で、こんなことがあって、ベンという旦那がいて」と一応、覚えても、寝たら、また白紙になってしまうのです。

だから、朝になると、また旦那さんが、「私はきみの夫で、きみはクリスティーンで」という説明をしなければなりません。

彼は何年も、これをやっているようです。繰り返し、繰り返し。

おまけにクリスティーンは、40歳なのですが、自分的には、20歳前半という意識でいるらしいのです。

なので、朝起きるたびに、「私は、20代の女の子、るんるん」としているかどうかは別にして、まあ、自分は若いつもりなんですが、鏡を見ると、アラフォーのおばさんがいるので、違和感を感じます。

部屋の壁には、2人が結婚したときの写真がたくさん貼ってあり、黄色い付箋に、「ベンとクリスティーンの結婚式」と書かれています。

付箋は、家具にも貼ってあります。クリスティーンの引き出しがどれかわかるように。

物が置いてある場所や、クリスティーンが何にアレルギーがあるのか、といった生活をするのに必要な情報も、表になっています。

誰も信用できない



ここで予告編を紹介します。予告編を見ると、わかりやすいのですが、けっこうネタバレしてるんじゃないかなあ、と思う部分もあります。

多少のネタバレはOKという方だけ、ごらんください。

2分11秒


ベンが会社に行ったあと、電話がなります。

クリスティーンが出ると、「私は医者です。あなたの記憶を戻すために治療しています」と男の声がいいます。

その医者は、クリスティーンに、クローゼットの引き出しの奥においた、靴箱に入っているカメラを取り出せ、といいます。

実は、このカメラは、医者がクリスティーンに渡したものです。

医師の指示に従って、クリスティーンは毎日(ここ2週間ぐらい)、このカメラを使ってビジュアルダイアリー(ビデオ日記)をつけています。

カメラに向かって、「私はクリスティーン、40歳、私は記憶喪失、私の人生はまだ始まったばかりだと思っていたけど、実は半分終わっていたの、シクシク・・・」

医者は、君が記憶喪失になったのは、頭を何度も殴られたからだと言います。

これは彼の作り話ではなく、検視官の報告書にもそう書かれています。

クリスティーンは、裸で血だらけのまま、マネキン人形の工場にほっぽりだされていました。

「え、誰かに襲われたというの? 殺されかけたの? でもベンはただの事故だって言ったわ」

ほかにも、ベンが隠していることがいろいろとありました。

疑念がつのるクリスティーン。

その日、出会う人は、すべて初対面なので、誰のことも信用できないのです。

信用は、何度も会って、時間をかけて、築くものですから。

医者のことも心から信用できないのですが、カメラの中にいる自分が、「私はクリスティーン、40歳で記憶喪失」と言っているから、かろうじて信用しています。

早く記憶を取り戻したいクリスティーンは、医者に忠実です。

役に立つビジュアルダイアリー



10年前、何があったのか、クリスティーンを襲ったのは誰なのか、それはいったいどんな理由で?

こんなことが謎となり、この映画の前半はわりとおもしろかったです。

途中からちょっと失速するかなあ、結末も、ちょっとひねりがないよなあ、ヒッチコックだったらもっとびっくりさせるんだろうなあ、とは思います。 

それでも、私はわりと楽しめました。

カメラで、ビジュアルダイアリーを作るというのがいいアイデアです。

医者は、「これがあれば、きみの人生にも、多少なりとも、continuity (連続状態、継続性、関連性)が生まれる」といいますが、本当にそのとおりです。

このダイアリーがなければ、賽の河原で石を積んで塔を作ったのに、翌朝起きたら、塔がこわされていて、また一からやり直しみたいなものです。

この映画の原作は同名の小説ですが、小説では、動画ではなく、ふつうに紙とペンを使って日記を書いているそうです。

これを、ビデオにしたのは、とても映画的で、いいアイデアですね。

ちなみに、「カメラで日記をつけていることは、夫に言うな」と医者は言います。

人に日記の存在を知られると、心の奥底に秘めたことを言えなくなってしまうから、と彼は説明します。

たしかに、人に見られることを意識すると、言うこと、やること、変わってしまいますね。

話はわりとシンプルで、最後、盛り上がりに欠けるせいか(でも役者は熱演していると思う)、この映画、世間的な評価はそこまで高くありません。

日本のアマゾンのレビューでは、大物俳優を活かせてない、とか、コリン・ファース、もっと作品選べ、といったものがあります。

でもね。

これ、名優を起用したから、そこそこうまくいったんだと思います。

演技がへたな人がやると、火曜サスペンス劇場の出来損ないになってしまうんじゃないでしょうか?

この映画は語学教材向きだと思う



字幕なしで見ましたが、話がシンプルなので、ふつうに筋はわかりました。

字幕(英語のクローズドキャプション)を表示させて、ちょっとだけ見たら、細かい部分は、聞き落としていましたが。

登場人物は少ないし、みんなわりとはっきりしゃべっているし、流行語やスラングも出てきません。

英語の聞き取り/勉強用にはいいんじゃないかな、と思います(わたしは難しすぎるものはやらないほうがいい、というスタンスです)。

字幕を表示させ、知らない単語はメモしながら、再度見るつもりです。

主人公が起きるたびに記憶をなくすため、同じ言葉やシーンが繰り返されます。

小説や映画としては、この繰り返しがだるいと思いますが、語学的には、繰り返しは有用です。

映画は1時間半でそんなに長くないし、クリスティーンが写真をじーっと見ていたり、襲われていたりして、セリフのない部分が長いので、全セリフチェックはそんなに負担ではないでしょう。

しかも、この映画には、フランス語音声(吹き替え)と、そのクローズドキャプションもあるのです。

英語のほうはざっと流して、フランス語のセリフをじっくり見ていこうかなと思います。



アマゾンでレンタルできます。画像をクリックすると該当ページに飛びます。



原作はこちら

今だけなのかな? キンドル版が550円と安いです。




自分は記憶力がないと思っていたけど、朝起きても、自分だと覚えていられるって、ありがたいことだ、と思いました。

起きるたびに記憶がまっさらになってしまうなんて、私なら、寝るのが怖くなって不眠症になるか、ノイローゼになりそうです。
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