ハンドサニタイザー

前回の記事を書いてから、1週間ほど経過しました。この間、めまぐるしく、中央政府と州政府から、いろいろな指示が出されました。

現在の様子を書いておきます。

カナダの感染状況



13日午前9時の段階で、152人だった感染者は、8日後の3月21日午前9時には、1048人にまで増えました。死者は13人です。

感染者が1番多いのはブリティッシュコロンビア州で348人、次がオンタリオ州の311人、その次がアルバータ州の195人、その次がケベック州の139人。

この4州だけが目立って多いです。

私の住むアルバータ州はこんなふうに感染者がぐんぐん増えています。

covid 19 cases in alberta

今のところアルバータ州の死者は1名です。

なお、カナダは、現時点では、韓国のように、ばりばりテストできるリソースはないため、感染者の濃厚接触者でも、症状が出ていなかったら、、医者や看護婦みたいな職業でない人は、テストしていません。

だから実際は、もっとたくさん感染しているでしょう。

政府の対策



月曜から毎日のようにトルドー首相が、玄関を出たところにセットされた演壇にて、声明を出しました。

彼は、いま、セルフアイソレーション(自主隔離)中なので、家の前で発表するのです。

今のところ取られているおもな対処は

中央政府(フェデラル)



基本メッセージ:できるだけ自宅にいること。

・国外への不要不急の旅行はおすすめしない(禁止とは言ってません。Avoid all non-essential travel)

・外国人の入国拒否(一部例外あり)

・症状の出ている人(つまりすでに感染している人)はカナダ人でもカナダに来る飛行機に乗れない。

・海外から戻った人は14日間、自主的に自分を隔離すること(これを守っていない人がたくさんいる様子)。

・アメリカとの国境閉鎖(生活に必要な物資を運ぶトラックやらはOK。不要不急の移動はNG)

・国際線が到着する空港を4つに指定し、スクリーニングを強化

・国立公園の閉鎖

・確定申告の期日を2ヶ月のばして7月1日とする(通常は4月30日)

・COVID-19のせいで、経済的に打撃を受けた人に、カナダのGDPの3%にあたる経済援助をする


州政府(ミュニシパル)



・デイケア(保育園)、K-12(幼稚園から高校3年まで)の学校を閉鎖。大学はオンライン授業。

・50人以上の集会禁止

・バー、ナイトクラブの利用禁止

・民間、公立問わず、すべてのレクリエーション施設、文化的な施設の利用禁止(図書館、美術館、プール、ジム、カジノ、ボーリング場、映画館、劇場etc)

・カフェ、レストランは営業できるが、フロアには、収容できる人数の50%だけを入れる(最高50人まで)。

・緊急を要しない手術の延期(感染拡大に備えて医療体制を整えるためだと思います)。

Social Distancing(人と距離をとること)の指示



州政府のサイトに、人とあまり近づかないための、具体的なアドバイスが、書いてあります。

・必須の外出をするときは、他人との距離を6フィート(180センチ、自転車の長さ)以上保つ

・用事で外出する回数を最低限にする

・人がいない時間に買い物をする

・可能ならオンラインで食品や物を買う

・近所や公園を散歩するときは、他人としっかり距離をとる

・共用する場所をさわった後は手を洗うか、除菌する

・密閉空間(エレベーターなど)に1度に大人数で入らない

なお、州政府は、マスクの着用は、感染した人が、他人のいる空間に出るときだけにすすめています(まだ感染していない人は使う必要はなし)。

自主的に閉まっている小売店多数



一般の小売店は今のところ、営業していてもいいのですが、従業員や客の健康を考えて、北米に何店も店があるような大手の会社の店は、先週末から今週はじめにかけてほとんどクローズしました。

たとえば、Apple Shop, Lululemon、セフォラ(コスメの店)、Indigo(カナダの本のチェーン)、スターバックス(ドライブスルーはある)など。

店舗は閉まっても、オンラインでの業務は続いています。

Indigoは私の住む市の、唯一の新刊を売っている本屋のチェーンなので、ここがしまると本屋はありません^^; あとは、古本屋や、子どもの本専門店といった小規模リテイラーです。

つまり、現状、生活にどうしても必要な店(スーパー、ドラッグストア、銀行、病院やクリニック、ガソリンスタンド、キオスク/タバコ屋、コンビニ)ぐらいしかあいていません。

そういえば、リカーショップ(酒屋)とカナビス(合法的に売られているマリファナ)の店はとても売上が伸びているというニュースを見ました。

これ⇒COVID-19: Liquor store and cannabis sales jumping | Edmonton Journal

バーは閉まっても、酒屋は営業停止ではなく、しかし、いつ営業停止になるかわからないから、いまのうちに買いだめしとこう、という人が多いのでしょうか?

お酒とマリファナって、どうしても生活に必要なものなの?

コーヒーと同じ嗜好品だから、食品の仲間なのでしょう。

カフェやレストランも、時間を縮小して営業しています。

いつまでも営業していると、ネットで、「従業員の健康を考えていない」などと、非難されるし、客もあまり来ないので、しめざるを得なくてしめた店もあるようです。

近所でずっとしていた道路工事か水道工事か知らないけど、それも停止しました。

娘(大学4年)への影響



家族のなかで、一番大きな影響を受けているのはたぶん娘です。

学業



17日の火曜日から、大学はオンライン授業になりました。13日の金曜日の朝、突然、休校が決まり、「翌週の火曜からオンラインにする」と通達がありました。

いくら大学の先生でも、たった4日間でオンライン授業の体制を整えるのは大変らしく、講義を、ただ録音して配る先生が多いそうです。

Google Meet や、ズームなど、皆で参加できるツールを使っている先生もいるし、YouTubeに動画をアップしている人もいます。

こういう先生は、多少インターネットに慣れている人でしょう。

それはいいとして、もっと問題かもしれないのは、中間試験も期末試験も、すべて論文式の試験になりそうなところと成績の付け方です。

ふつうはAプラスとか、Aマイナス、A、Bプラスというように、評価がつくのですが、今期はそういう評価はなく、単に、及第(pass)、落第(failure)、 未完了(incomplete)という評価になります。

北米ではAとかBにポイントが割り当てられており、このポイントから、Grade Point Average(GPA)というのが割り出され、私はGPA3よ、僕はGPA2.7だよ、などと生徒が言います。

このポイントが、進学や就職などに、重要な役割を果たしています。

及第か落第しかない人たちのGPAってどうなるのかなあ?

成績が60%の人はDで、90%以上の人はAですが(学校やクラスによって多少違うとは思います)。

DとAの人って、それなりに開きがあり、それが両方とも、単なる「及第」となるのは、学生としては複雑な心境でしょう。

アルバイト



前回の記事でも書きましたが、娘は Bulk Barn という、食品を量り売りする店で働いています。

Bulk Barnはきのうから、営業時間が短くなりました。

現在の営業時間は以下のとおり

月曜~土曜:10時~夕方6時
日曜:11時~5時

通常は朝の9時から夜の9時まであいています。

それはいいとして、店内や備品の消毒、掃除が大変なのは相変わらずで、店頭にハンドサニタイザーが設置され、さらに、手袋の装着が必須になり、客1人ひとりのために、店員が、食品をすくってビニール袋に入れるようになったそうです。

この作業がとても大変だそうです。

(バラ売りなので、通常は、ビンから、客が自分で小さなスコップを使って買いたい分をすくいます)。

これ、感染予防になるんでしょうか? 客と対面で話をする回数が増えて、かえって感染が増えるような気がしますが。

娘は営業時間が減ると、バイトの時間も減って、稼ぎが少なくなることを心配しています。

彼女はいつも忙しいので、私は、今回、大学が休みになり、仕事も少し負担が減ったのはよかったと思います。

penへの影響



私はふだんでも、在宅勤務のself-employed だから、忙しさに変わりはありません。

むしろ、ニュースの視聴時間が増えたため、いつもより、忙しいです。

政府や州の発表をチェックするためにニュースを見るのですが、YouTubeで見ているので、いったん見始めると、べつのニュースまで見てしまい、時間がなくなります。

「これではいけない」と思い、現在は、できるだけ、視聴するメディアを決めています。

あちこちから、COVID-19に関しての業務の変更、といったメールが来るので、それを処理することにも、時間を取られています。

今は、毎朝、ジョギングするため、1時間、外に出る以外は、家にいます。

買い物は週に1度します。

先週の火曜日に娘と買い物に行きましたが、平日の昼間だったので、そこまで人は多くありませんでした。

オーガニックフードのスーパー、Bulk Barn、ドラッグストア、一般スーパーと4店行きましたが、マスクをしている人を2人だけ見ました。

スーパーではからっぽの棚もありましたが、詰まっている棚もあったし、トイレットペーパーも売っていたし、シリアルもあったし、ニュースで見るほど「何もない!」という状態ではありませんでした。

(あまりしっかり見ていませんが)。)

一般スーパーでは、なぜか、食器用洗剤がほとんどありませんでした。ハンドソープやハンドサニタイザーが売り切れるのはわかりますが。

娘は、ふだん使っているのがなかったので、棚にポツンと残っていた洗剤を買っていました。

ハンドソープだけじゃ心配だから、食器用洗剤も買った人が多いのでしょうか?

先週末はとても寒かったので、自宅待機を命じられていなくても、外には出ない日和でした。朝はまだまだ寒く、雪もまだ残っています。

これを書いている土曜日の午後5時すぎは、プラス6度です。

この1週間、子どもを全く見ませんでした。

私の住まいは道1つへだてて、小学校の隣なので、朝、ジョギング中に外で、昼間、台所仕事をしているときは窓から、よく子どもを見ますが、まったく見かけず。

もちろん、子どもの声も聞こえません。なんかさびしいです。

イエローバス(子供を送迎するバス)も見ません。

バスのドライバーは、自宅待機中なんでしょうね。給料は支払われるのでしょうか?

Lululemonなどの大手の小売店の店員は、営業時間が短くても、自宅待機でも、満額給料が支払われるそうです。

つまり、いまは(かなり長いけど、海外旅行には行けない)有給休暇中です。

しかし、そうではない人もたくさんいるでしょう。

先日、エアカナダは5100人の客室乗務員を一時解雇しました。

いくら政府から補助金がもらえるといっても、そんなにすぐにもらえないだろうし(よく知りませんが)、来月の家賃が払えない人もいるんじゃないでしょうか?

娘のバイト先は、たぶんずっと開いています。

娘は仕事が大変なので、有給休暇中の大手の店の店員に比べると、「損だ」と言いますが、仕事がある分「ましだ」とも言えます。

なお、夫は、職場に行く必要がある仕事なので、平日は、ふつうに仕事に行っています。ただし、通常より遅く行って早く帰ってきます。

土日は、ずーっと家(しかも居間)にいるのでひじょうにうっとうしいです。

州政府によると、COVID-19の感染のピークは、いまから4~5週間後になるだろう、とのこと。爆発的な感染が起きないことを祈っています。
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