
COVID-19の感染状況などに関する覚書、その3です。
カナダの感染状況
Public Health Agency of Canada によると、3月28日現在、カナダでの感染者は5425人、死者は60人。
これまで行ったテストは184,201件。
私が住むアルバータ州は、28日午後の段階で、感染者が621人、死者が2人。
このうち入院中の人は38人、そのうち12人がICUに入っています。
感染者621人のうち、54人は感染経路がたどれない、市中感染の人たちです。
それがどの地域なのか知りたいところですが、そこまでは新聞には書いてありません。
これまでに行われたテストはおよそ38000件です。

アルバータ州では、感染していると著しく困る人(医療従事者や、老人ホームのスタッフなど)と、明らかに疑わしい人(外国から帰ってきた人など)を優先的にテストしています。
この1週間の動き
この1週間で、フェデラルとミュニシパルから毎日のように、いろいろな発表がありました。
自己隔離中のトルドー首相は、毎日、家の玄関の外で、デイリーアップデイトをしています。
めまぐるしすぎて、ついていけません。
おもだったところをあげます。
フェデラル
・さらなる大きな経済的援助をする。
・COVID-19のせいで仕事を失った人や、仕事をできなくなった人にすぐにお金を渡す。
すぐといっても4月6日らしいけど。
とくに中小企業や自営業へのサポートが手厚くなります。
中小企業が払う給料の75%を政府が持つ、お金を借りても金利は取らない、消費税の支払い期限の延期、など。
・外国から帰国した人は、2週間、強制的に自己隔離。従わない場合は罰金。
・症状のある人は、国内便の飛行機に乗れない。
・さらなる金利の引き下げ。
州レベル
・15人以上の集まりは禁止。
・隔離の義務などを怠った人は、1000ドルの罰金。
・老人ホームに入居している人、スタッフ、訪問者は、全員スクリーニングを受ける。
それがどういうものかはわかりませんが、老人ホームやケアホームみたいなところで、感染が広がっているゆえの処置でしょう。
・コロナウィルスの病気のせいで働けない人は、緊急の資金援助を州に請求できる(オンラインで申し込め、すでにできるようになっています)。
・アルバータ州を走る長距離バス(Red Arrow)のサービスを停止。
・プライベートサービスの店の営業の停止。
たとえば、美容院、ネイルサロン、タトゥーサロンといった、お客との距離を2メートルに保てない店です。
しかしこうした店の半分はすでにしまっています。
・カフェ、レストランのイートインはすべて禁止。ドライブスルー、テイクアウト、デリバリーはOK。
・不要不急のサービス/物を扱う店は、すべて営業停止。
いわゆる non essential service/goods を扱う店で、衣料品店やホビーショップなど。
州政府のサイトに、どんな店はOKで、どんな店は営業してはいけない、と詳しく書いてあります。
この手の店も、すでに自主的にかなり閉まっていました。
・公園(とくに遊具)の利用、禁止
・ソーシャルディスタンスをしっかり実施していない人を見張るために、警察が、見回りを強化する。
ソーシャルディスタンス(social distance)は、人と人の間の距離で、2メートルとることになっています。
詳しくは前回の記事に書いています⇒新型コロナウィルスのpen宅における影響(3/15~3/21)
social distance を「社会距離」と訳していた日本の記事をみましたが、これではわけがわかりません。
車間距離ならぬ、人間(じんかん)距離です。
あと、市長が、自己隔離中です。
それと、Service Canada (役所)が閉まっています。失業した人たちが手続きに殺到して、感染リスクが高まったので、閉めたようです。
これにより、受付はオンラインか電話となりましたが、電話がなかなかつながらないとのこと。
CRA(カナダの税務署)も問い合わせが殺到して、電話がつながりません。
経済援助のうち一部は、CRAから支払われるからです。
各種銀行のカスタマーサービスも電話がつながりにくい状態です。
まあ、ふだんでも、待たされます。
15人までの集まりになったのは、政府の言うことをきかず、集団でハイキングトレイルなどに集まる人々がいるからだと思います。
このような人たちは、#COVIDIOTS と呼ばれています。
連日、COVID-19のニュースばかりなのに、ニュース見てないんですかね?
娘への影響
大学のオンライン授業を受けながら、娘は、Bulk Barnでのアルバイトを精力的に続けています。
ここは、バラ売りの店で、商品をそなえつけのスコップですくって、袋に入れますが、いまは、このすくう作業を店員がやることになっています。
客1人に店員が1人つき、注文をきいて、すくって袋に入れて歩きます。その後、レジで精算して、次の客の対応をするとのこと。
日本人の感覚からするとかなり広い店舗ですが、開店して2時間は、店員が2人、その後は3人体制になります。
客は、自分の番がくるまで、並んで待っています。 間を取れるように、2メートルごとにテープが貼ってあるそうです。
こうした配慮は、ほかの店もやっています。
私がよく行くオーガニックフードの店から、長いメールが来て、店の取り組みと客に協力してもらいたいことがたくさん書いてありました。
この店は、現在、現金による支払いは受け付けておらず、来週から、レジにplexiglass(プレクシグラス、透明のアクリル樹脂の板)を設置するともありました。
プレクシグラスを導入しているスーパーは、ほかにもあります。もちろん、少しでも感染を防ぐためです。
プレキシグラスのあるスーパー

娘のバイト先には、このような板はないし、現金の支払いも受け付けているとのこと。
というより、客の注文を聞くとき、2メートルの距離を保てないですよね?
娘は、ここでバイトを始めて、6年になりますが、「ここまで、お客と話をしたことなどこれまでなかった」、と言っています。
仕事に入る前、「きょうも奴隷の1日が始まる」とも言っています。
娘はいま、大学4年なので、卒業後につきたい仕事にオンラインでアプライしてみたようです。
クオリフィケーション(資格や条件)が足りないそうなので、面接に行き着かないかもしれません。
面接といっても、今は、スカイプかフェイスタイムになるでしょう。
ある学科の単位を取りたいと言っていたので、すぐには就職しないかもしれません。
カナダは、日本のように新卒者がいっせい就職説明会に行ったりはせず、自分の好きなタイミングで、自力で応募します。
私への影響
今週は、毎朝、ジョギングする以外は家にいました。
水曜日に、食品を宅配してもらったので、あと2~3週間は持つはずです。
月に1、2度、オーガニックフードの店の宅配サービスを利用しています。
ふつうは、夜の8時までに注文すれば、翌日の夜、届けてくれますが、「いま、注文が立て込んでいるから、1週間前に、注文しろ」と言われ、そうやって注文した分です。
外に買い物に行きたくないため、2週間後の分も注文しようと見たら、なんと4月3日までトラックがいっぱいで注文できず。
翌週のカレンダーはその週の日曜日にならないと更新しない、とあります。
明日、日曜日なので、一応チェクしてみます。すぐにページを開けるよう、直リンクをとって、ブックマークバーに入れました。
土曜日(今朝)は、粉雪が降っていたので、ジョギングを休みました。
月曜日は朝、スカイプをする用事があったため、正午から午後1時までジョギングしました。
この時間だと、人が多いので(私は渓谷のトレイルを走っています)、ソーシャルディスタンスを保つのが難しいため、走るなら、やはり朝だ、と思います。
ふだんは7時から8時ごろ走っていますが、5人程度しか人を見ません。
そういえば、今週はコヨーテ(かオオカミかも?)らしき動物を3匹も見ました。
人間の出現が少ないからでしょうか?
本当はもっと紫外線が強い時間帯に走ったほうがいいのでしょうが(ウイルスは紫外線に弱いから)、そうすると、人出も多くなるので、来週も7時から走る予定です。
たいてい、北風がびゅんびゅん吹いているので、ウイルスがいたとしても死んでいるでしょう。
今週もニュースを見すぎて、肝心の仕事をあまりやらなかったので反省しています。
先週も同じことを書いたけど。
フランス語の勉強もとどこおりがちだし、いくつかストリーミングサービスにお金を払っているのに、映画も全く、見ておりません。
その他、思ったこと
アルバータのチーフメディカルオフィサー(女性)が、「現在、州には8500のベッド(病院のベッド)があるが、このうち、2250をCOVID-19用にあてる」と言ってました。
8500しかないのが驚きですが、日本に比べて人口が少ないから、これで間に合うのでしょう。
しかし2200ぽっちで大丈夫なんですかね?
このうち1500は4月8日までに用意する予定とのこと。
また、入院するほどではないけれど、自己隔離がしにくい環境の人のためのベッドも、750個、こちらは4月15日までに用意するそうです。
ベッドを確保するため、緊急でない手術はすべて延期されています。
メディカルラブ(検査をしたり、検査結果を出すラボラトリー)も、COVID-19の患者に備えるため、歯医者、目医者、その他のクリニークは、緊急の施術しか受け付けていません。
いま、病気になるとややこしいことになります。
いずれにしても、こんなふうに日付や数字を言うのはいいと思います。
これを聞けば、人々は「よし、それまで、家にいるのをがんばろう(というのも変だけど)」と思うでしょうから。
日本の政治家は、この点、なんかすごくあいまいですよね?
たぶん、日本はあいまいなことを言っても、思いはかって、自粛する国民だからなのでしょう。
この週末、東京都の人たちは、「不要不急の用事」のために外に出ず、自粛して、と言われていますが、なぜ、「◯◯人以上の集会は禁止」と決めないのでしょうか?
自粛は、結局、自己判断するしかなく、加減がわからず、他人と比較する余計な手間が増え、かえってストレスがたまると思います。
まだ感染も死者も少ないから、あいまいな言葉を使っているのかもしれません。。
安倍首相の緊急経済対策の会議の写真を見ると、政治家や、マスコミのカメラマンがたくさんいて、狭い部屋に50人以上はいる雰囲気です。
日本のメディアでは、「密閉」「密集」「密接」を避けろ、とよく書いてありますが、この会議、三密だと思うんですけど。
感染者が少ないうちから、対策しとかないと、イタリア北部やニューヨークみたいなことになってしまいます。
東京は人口が過密しているから、いったん感染が爆発すると、とてつもないことになりそうです。
水際対策をがんばっているからいいのかもしれませんが、なんとなくいやな予感がします。